キーワードは書体

、歯医者に行くつもりだったが、ご近所の方に頼まれて犬を預かる。我ながら、何やってんだか。


 犬をひざに乗せて考える。頼まれ仕事の事故をどうするか。事故とはこうである。


 簡単な印刷物を頼まれたのだが、個人名に「天」の付くものがあった。


 さて問題です。この「天」の字、横棒2本、どちらが長い? 答えは、書体によって、上が短いのもあれば下が短いのもある。答えになってないけど。


 店主が頼んだ印刷屋さんの使った書体は、上の棒が短くなっていた。さあ、それが運命の分かれ道! 依頼主いわく、「この『天』は上が長くないといけない」とクレーム。


 あはは。もう印刷終わっているんですけど。笑っている場合じゃない。印刷やり直しである。明朝やゴシックなら、上棒の長い「天」ばかりなのだが、ここで使いたい楷書体だと、ほとんど上棒が短いことが判明した。書体見本にもいちいち「天」の字まで載ってないしね。


 書体探しで一日終わる。古本屋はどこへ。


 お祭りのお知らせを仕上げ、住民に配布。


 夕方、子どもを連れて日舞の稽古。帰りにひどい夕立ちに遭う。