水もしたたる2

夕方、外出先から帰ると、子どもたちが、イスの背に、紅白の幅広のビニールひもをグルグル執拗に、一心に巻き付けている。普段はうるさい小鬼ども(お嬢ちゃんたち、失礼)が、無口である。


……これは、何かの芸術か? それとも君たち、気でも狂ったのか。


すると、今度は巻き付けたビニールひもをはさみで切断し、片方を輪ゴムでくくり、バラバラな方を細かく手で引き裂きはじめる。


ああ、どうやら、運動会の応援で使う、ボンボンを作っているようだ。ご丁寧に赤組・白組に分かれて。


そんな騒ぎの中、修理業者さんが、台所の壁面に身をよじりながら消えていき(「足がつりそうだ!」とうめきながら)、昨夜見つけた水漏れを修理すること1時間半。


銅管を切断し、交換して溶接。再び壁面より這い出てくると「請求は後日」と言い残し、帰っていった。


水も台所も使えず、遅い夕飯は外で食べることになった。