祝日だが、かみさんが午後までうちにいるので、午前中、神田古書会館・趣味展即売会。
しかし、祝日であった。会場前、会館に入りきらない人が隣の郵便局の角まで行列。地方から来る人もいるのだろうか。
みなさん、目当てがあって来ているようで、黒っぽい本、和本などに突入していく。文字どおり人の間に頭から飛び込んでくるのでびっくり。そのパワー見習いたいが、ちょっと迷惑だわな。絵はがきや紙ものをかき分けている。
店主は白っぽい本を眺めている。安い本は状態が悪いので注意だぞ。自分に言い聞かせながら。ル・クレジオ『調書』500円を手にとるが、カバーの汚れがひどいのであきらめる。戸井田道三4冊各300円。よごれているが、みがけば何とかなるだろう。でも全集が出てたっけ? 不勉強である。冨田均『東京徘徊』500円! 個人的にも探していた本。よしよし。
人通りの少ない神保町を駅の方へ。人混みにいたからか、本をにらんでいたからか、いつも帰りはどっと疲れを感じる。コーヒー飲んで一服。
帰りの地下鉄の中で、待ちきれず、『東京徘徊』をとりだす。カバーに「……東京を徘徊した青年の歩行録」なんてある。冨田さん、青年だもんね。発行は1979年。21年後に出た続編『東京私生活』の表紙に山手線田端駅南口駅舎を出て歩く著者が写っている。もう頭に白髪が目立っている。(ちなみに店主も7年、この駅舎を毎日くぐった。)
はやる心を押さえて、「序」を開いて……。赤ボールペンで線が引いてあるではないか!
またやってしまった。