気難しいお年ごろ

ピアノのレッスンのため早めに帰ってきた子どもは、機嫌が悪いのである。


練習不足のため、課題をうまく弾けないことにいらだっているようなのである。布団にもぐり込んだまま、出てこようとしない。


なだめすかして、どうにか外へ出す。レッスンを受けるお宅は、同じマンション内なのだが、扉の前まで、子どもを引っぱっていく。終わったら迎えにきてほしいと言う。


自宅で査定などしていたら、終わる時間を過ぎてしまった。ま、まずい。やはり、すねてしまう子ども。困ったもんだね。


そこへ、ご近所のお孫さん(5歳)が「晩ごはんを一緒に食べませんか?」とお誘いにきてくれる。おお! 救いの神よ! とたんに笑顔になって、駆け出していく子ども。