店主二〇代の頃勤めていた会社の社長・岩崎さんと池袋で会う。
岩崎さんは、知る人ぞ知る、「アート・シアター新宿(ジュク)」という小劇場をやっていた。芸術にかぶれていた店主も、飴屋法水の「東京グランギニョル」の公演や、副島輝人さんのフリー・ジャズ・フェスティバルの8ミリ上映や佐藤重臣さんのアングラ映画アーカイブスに足繁く通ったものである。そのうち、事務所番などアルバイトするようになった。
その後、新宿から荻窪に移り、「アール・コリン」を設立[http://art-colline.com/](現在、運営は別の人に委ねているそうだ)。店主が辞めた後、ますます発展し、「かもめ座」など劇場・稽古場を次々に作っている。
たまに電話で近況を話したりしていたが、今回会うことになったのは、岩崎さんもネット古本屋をはじめようというので、店主に話を聞きたいというわけなのだった。
話は、しかし、古本屋だけにとどまらず、昔のことや選挙結果など止めどもなく……。気が付けば閉店の時間。再会を期して別れたのだった。